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ハンダ付け(半田付け)職人のはんだ付けblog

2016.02.13

コンデンサ液漏れ実例集

皆様こんにちわ。お茶@はんだ付け職人です。



今回は作業例ではなくコンデンサ液漏れの実例集をお届けしたいと思います。

電気機器にはほとんど入っている電解コンデンサですが、寿命はそう長くありません。

短いものだと1000時間程度です。もちろん理論値でありカタログ値よりは持つはず。



しかし個体差もありますし、期待できるものではありません。

弊社だとECUやマザーボードでよく見ますが、液漏れしてても分かりにくかったり、基板が焼けたと誤解されたりしています。ECUはコート剤で覆われていますし、初めて見ると分かりにくいかもしれません。

いかにも「ヤバそう」なほどの液漏れだと断線もこわいです。



ですので今回はコンデンサの液漏れ集をお送りしてみなさんが愛機の健康診断する際の指標にしてもらえれば幸いです。安全弁が膨張している例は今回は除外させて頂きます。液漏れ集なので。



説明挟みつつ行きますが、そう多くありません。突発企画ですので。



作業説明③




ECUからコンデンサを外して見やすくしてあります。

漏れ出した電解液が基板を腐食させています。レジストが剥がれていますが、腐食の過程で浮き上がり洗浄した時に剥がれてしまいました。

レジスト下で黒く変色した箇所がお分かりいただけますでしょうか。ここは腐食してサビが発生しています。



電解液は強アルカリ性で導通があります・・・液体ですからわずかな隙間にも侵入します。

例えば回路基板のレジストとパターンの隙間に。



電解液に濡れたパターンに電気が通るとあっという間に腐食が進みます。

電気分解と同じような現象です。



それでは次の写真。



作業説明①




これも電解液で腐食しています。ランドが真っ黒に染まっています・・・というよりもランドが腐食しきってしまって残っていません。カソード(マイナス)側のレジスト下も黒く染まっています。

このような場合はレジストとサビを落としてはんだメッキして、喪失したパターンを銅線で補修してやらなければなりません。

こういった場合で心配なのがスルーホール内部の状態です。対象の基板が多層基板であった場合、内部の層へのアクセスはスルーホールで行っています。このスルーホールの内壁まで腐食が進んで喪失してしまうとはんだ付けだけではどうしようもありません。

内壁が無事かどうかは、はんだを流し込んで吸い取ってはんだメッキが出来るかどうかで確認します。

無事なら表層のパターンを修復してあげればまた稼働できる見込みがありますが、内部がやられていると復旧の可能性がどんどん低くなります。



次の写真です。



液漏れ例別角度




ブログでもちょくちょく使用している写真ですが、腐食レベルとしては相当です。

コンデンサを取ろうとしてリードだけもげるパターンです。基板だけでなくコンデンサ本体の腐食が進んでいます。

液漏れが起きて動作をともてからも放置された結果です。ここまで来るとほかの部品が生きているか怪しくなってしまいます。本来流れるべき電流が流れてこなかったり、信号程度の電気だけのはずが大電流が流れたりしている可能性もあります。

電解液を介して逆電流がなんてこともあります。これでICが焼けていたら残念ながら、もう手の施しようがありません。



次の写真です。



液漏れしたコンデンサ根元




今度は取り外したコンデンサ側です。

ECUは湿気やホコリから守るためにコーティング剤で守られていますが、コーティングごしでも電解液は侵食してきます。

コンデンサの直下のあたり茶色く染まっていますがこれが電解液の跡です。あとというよりもコーティング剤が持ちこたえようと頑張った跡ですね。電解液の残滓が黒い塊になています。



次の写真です。



IMGP2568




こちらは今年に入ってからブログてもご紹介した例から拝借してきました。

腐食して電気が上手く流れなくなり過熱して焼けてと二重苦状態。パターンの修復で修復できましたが、焼けについては警戒しなければなりません。長時間稼動の結果なのか、それとも大電流による瞬発的なものなのか。後者だとほかの部品のダメージがあるでしょうし修復してもダメな場合があります。

前者の場合は腐食やはんだのクラックなどで少しづつ熱くなり最終的な結果として焦げます。

一部が全部ではないので絶対とは言えんませんが、致命的なダメージに至っていないケースがあります。

回路修復や抵抗やダイオードなどの汎用部品の交換だけで治ることが多い印象です。



次で最後の写真です。



IMGP2585




序盤で少しの隙間でも侵入してくると書きましたがいい例です。

この基板では液漏れが部品面で起きました。コンデンサは部品面に実装されますので当然ですが、写真ははんだ面です。電解液がスルーホール周辺の基板の隙間やはんだ付けの際にできてしまった空洞を通って基板を貫通して腐食が進んだと考えられます。

でなければスルーホール内部が無事である説明ができません。

見た目ほどひどくはなく、腐食も比較的軽微でしたのでサビの除去とはんだメッキで対応しました。



腐食しているかどうかは外観から判別できる場合が多いのですが、「どの程度腐食しているか」については削って見なければわかりません。

表層だけなのか、腐食しきって断線しているのか。



平成1桁の車両あたりそろそろ限界を迎え始めています。

往年の名車ほど厳しい現実に直面しています。



今時キャブレターとディストリビュータで制御している車両は極僅かで愛好家の愛蔵か博物館にしかないでしょう。ECU制御の車両はいずれコンデンサの寿命満了とともに動かなくなります。



セルは回るのにかからない、回転数がおかしい。エンストするといった症状が出た頃には寿命を迎えてしまったと考えるべきでしょう。ECUを開けてみると答えが見つかることでしょう。

微妙だなーといった場合にはこの実例集で参考が見つかれば幸いです。



修復についても弊社HPからお問い合わせいただければご案内できます。



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