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ハンダ付け(半田付け)職人のはんだ付けblog

2006.08.24

煙(ヒューム)について

☆ご質問



はんだ付けに発生する煙(ヒューム)について御聞きしたいのですが。

幣社にて現在はんだ付け作業を行なっております。

はんだ付けに伴い発生する煙は人体によくないと

言われてるかと思います。

可能な範囲でかまいませんが発生する煙の成分を

教えて頂きたいのですが。また、一応吸煙器を

使用していますが、労働衛生基準等に吸煙器の設置

等の義務付けはあるのでしょうか。

御手数と思いますが教えて頂ければと思います。

何卒、宜しく御願い致します。



☆はんだ付け職人 回答



野瀬@ハンダ付け職人です

私も、さほど法律については詳しくないので調べてみました。



その前に まずフラックスの成分についてですが



主成分は 松脂(マツヤニ)なのはご存知かと思います。

その他 各メーカーによって薬品を添加していますが 詳細はほとんど

公表されていません。



Rタイプ 活性剤を含まないもの。腐食の原因となる化学物質を

          含まない為、電子素子など高い信頼性を必要とされるハン

          ダ付けに利用される。



RMAタイプ フラックスのはんだ付け能力を高める為に、少量の活性

          剤を加えたもの。ここで述べる3タイプのなかで、信頼性・

          はんだ付け性ともに中間に位置するものである。



RAタイプ RMAよりさらに多くの活性剤を加えたもの。

          より良好なはんだ付け性が必要とされる場合に使用される。



この活性剤というのが 塩素などに代表される人体に毒性のある成分です。

直接吸い込むと のどの粘膜を傷めます。



また ハンダを形成している金属もわずかですが 蒸発します。

このため 煙を直接吸い込むと 鉛入りハンダの場合 人体に鉛が蓄積されることになります。

当社でも 年に1度 血液検査をして血中鉛の濃度を検査していますが、

今までに 一人だけ 鉛成分が年々増加したために ハンダ付け作業から

外れてもらったことがあります。人、体質にもによるのかもしれません。





労働衛生基準等調べたた結果では



酸欠則、粉塵則、石綿則などはありますが 特にハンダ付けの煙に関する

基準は無いようで 鉛に関するものばかりでしたので 紹介しておきます。





①鉛健康診断: 鉛業務に常時する労働者を雇い入れる際、または当該業務へ配置換えの際

及びその後6ヶ月以内(はんだ付け等の一定の業務については1年以内)ごとに実施するものです。



http://www.japanunix.co.jp/column/q4.html 

 JAPAN UNIXより



現在、はんだ材料の鉛を主題として規制した国内法律等はない様です。

あえて鉛に関する法的規制をあげるとすると、 『労働安全衛生法』の「鉛中毒予防規制」等

により、鉛を扱う工場等での労働環境下における安全衛生管理の義務付け、

そして『廃棄物処理法』による、鉛(はんだ)を多量に含む電気製品等は「管理型処分場」

(廃棄処分場の底をビニールシートなどで覆いをした処分場)での処分が義務付け等があります。

また『水質汚濁防止法』により、鉛の排水基準値を0.1ppm以下と規制しています。

また『大気汚染防止法』により、自動車排ガス規制が行われ1975年にガソリンへの鉛の添加が禁止されました。

無鉛ガソリンは海外ではLEAD FREE(鉛フリー)と表現されることもあります。





http://www.jicosh.gr.jp/japanese/outline/30_j.html

国際衛生安全センターより



鉛及びその化合物は、合金、顔料、蓄電池等に広く使用されており、その摂取によって急性中毒、慢性中毒が発生する。

 日本においては、鉛による中毒事例は激減しているが、労働者に対する特種健康診断結果でも未だ有所見者がおり、その予防のため、事業者に次のことを要求している。

 (鉛中毒予防規則)



1. 対象となる鉛等(規則第 1条)





a. 鉛、鉛合金(合金の中に重量で10%以上の鉛を含有するもの)及びこれらと他のものの混合物



b. 鉛の製錬、又は精練工程で生ずる焼結鉱、煙灰等





2. 鉛業務の種類(規則第 1条)

 鉛業務の種類は、概ね次のようなものである。





a. 鉛、銅、亜鉛の製錬又は精練を行う工程で焼結鉱等を取り扱う業務



b. 鉛蓄電池又は部品の製造、修理等の業務



c. 電線、ケーブル等の製造工程での鉛の溶融、被鉛等の業務



d. 鉛合金の製造又はその製品の製造、修理等の業務



e. 鉛化合物の製造工程における溶融、鋳造、粉砕等の業務



f. 鉛ライニング



g. ゴム、合成樹脂の製品、含鉛塗料又は鉛化合物を含有する絵具、農薬、接着剤等の製造工程における溶融、鋳込み、粉砕等の業務



h. 自然換気が不十分な場所での「はんだ付け」の業務



i. 鉛化合物を含有する絵具を用いて行う絵付け等の業務



j. 溶融した鉛を用いて行う金属の焼き入れ、焼戻しの業務



k. 上記の場所及び転写紙製造工程、活字の文選、植字、解版作業場所の清掃の業務



 なお、スタンプによる絵付けの業務で健康障害のおそれがない労働基準監督署長が認定した場合は、法の適用が除外される。(規則第 2条)



3. 設備上の措置(規則第 5条~規則第20条)





a. 粉塵の発散を密閉する設備



b. 局所排気装置



c. 湿式以外の方法で作業を行う場合は、粉塵を受ける設備、容器の設置



d. 除塵装置







4. 管理





a. 鉛作業主任者の選任(規則第33条)



b. 局所排気装置、除塵装置等の定期自主検査(規則第35,36 条)

一年以内に一回定期に自主検査を行い、補修の状況を含めてその記録を3年間保存する。

c. ホッパーの下で臨時に作業をさせる場合は、呼吸用保護具を使用させる。(規則第39条)



d. 休憩場所等の設置



(a) 休憩室(規則第45条)

(b) 呼吸用保護具、保護衣の保管場所(規則第46条)



(c) 洗身設備(規則第47条)



(d) 真空掃除機(規則第48条)



(e) 手洗い溶液(規則第49条)





e. 喫煙の禁止(規則第50条)

f. 作業環境の測定

(a) 鉛業務を行う場所は、一年以内に一回、空気中の鉛の濃度を測定し、その記録を3年間保存する。(規則第52条)

(b) 措定結果を一定の基準で評価し、設備、作業工程、作業方法の改善等を行う。(規則第52の3 条)



g. 健康管理



(a) 鉛業務を行う労働者については、6ヶ月以内ごとに、清掃業務を行う労働者については1 年以内ごに特殊健康診断を行い、その結果を5年間保存する。(規則第53,54条)

(b) 特殊健康診断結果は、労働基準監督署長に報告する。(規則第55条)



☆追加







田中 和吉氏の【はんだ付け技術】総合電子出版社に

フラックスの有害物質について 記述がありましたので紹介しておきます。



ピネン

ホルムアルデヒド

フェノール

ジエチルアミン

トリエチルアミン

塩化水素

一酸化炭素

カドミウム(一部低温ハンダに含まれる)

メチルアルコール

イソプロピルアルコール



この辺りが 通常使用されるヤニ入り糸ハンダに含まれる

有害物質です。それぞれ どの程度煙の中に含まれているかは

この本に詳しいです。初版が昭和49年と相当に古いですがいい本です。

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