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ハンダ付け(半田付け)職人のはんだ付けblog

2005.09.06

鉛フリーと共晶半田で コテ先を混ぜて使っ

鉛入り共晶半田(Sn-Pb) と鉛フリー半田で コテ先を使い分ける?

( 混ぜて使ってはいけない?)



 ① 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)で使っていたコテ先を 鉛フリー半田の半田付けに

使ってはいけない。

② 逆に 鉛フリー半田付けに使っていたコテ先を 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)の

半田付けに使うことは OKである。

③ 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)と 鉛フリー半田付けでは 絶対 コテ先を混同して

使ってはいけない。



 このような話を メーカーさんや 製造現場で聴かれたことがあるのではないでしょうか?

 おそらく 製造ラインでは 半田コテは 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)と 鉛フリー半田で

使うものを 別々に色分けするなどして 厳格に区分して使っておられると思います。

 なぜでしょうか?

 たぶん ちゃんとした説明がないまま 命令 指導されている場合が ほとんどだと思いますので

説明しておきます。



 ひとつめの理由は 表面実装で半田付けした基板に リード部品などを実装して フロー半田

( 半田槽など)した場合、 表面実装半田の時点では 完全に半田の合金層が形成されていても

「半田の剥離」という現象が起こることにあります。



 この剥離の発生の条件については

 ⅰ: リードメッキが 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)である

 ⅱ: フロー半田付け時( 半田槽)の 表面実装部品リードの 接合部の温度が175度c以上ある

 ⅲ: 比較的 大型の 表面実装部品である



の3つが すべて揃う必要があります。



メカニズムについては 難しいので簡単に書くと

① 表面実装のリフロー半田付けの時点で メッキに含まれる鉛が 溶け出して

部品のリードの接合部表面に集まってくる。  ( 偏析といいます・・)

② この鉛は 鉛フリー半田(Sn―Ag-Cu)との合金を形成します。

( Sn―Ag-Pb 3元合金 融点178度c )

 ③ フロー半田(半田槽)で 温度が175度cを超えると この合金層だけが熔けます。

③ 熱膨張などによる 基板の反りなどで 応力が発生し 剥離に到る。



というものです。



 したがって 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)に使用したコテ先は 微量とはいえ 鉛(Pb)を

付着させており、 そのまま 鉛フリー半田へ使用すると 鉛が 半田中に熔けだして

悪さをする可能性が出てきます。

鉛(Pb)が 半田に含まれなければ この現象が起こらないわけですから

「 鉛入り共晶半田(Sn-Pb)に使用した コテ先を 使うな!」 というのは 大きな

意味があるわけです。



ふたつめに やはり 部品リードに鉛入り共晶半田(Sn-Pb)をメッキした部品を

スルーホール基板で フロー半田(半田槽)した場合に 起こる 「リフトオフ」 と呼ばれる

フィレット剥離 があります。

 この現象は 上記の Sn―Ag-Pb 3元合金 融点178度cが 部品面側の

基板との接合部に 形成されるのは同じで この部分だけが 融点が低く 最後まで

液層になっているため やはり 基板の熱膨張による応力によって 剥離します。

 ただし スルーホール基板でしか 発生しないため 片面基板では 起こりません。



 このように見ていくと コテ先を完全に区分して分ける理由はわかりますが 本当の意味では

上記の 2つの条件に当てはまらない 事例の場合は 万一 コテ先を 混ぜて使ってしまっても

品質上の問題は 起こらないということになります。



 ただし 製造の最前線では 混乱を防ぐ意味もあって 「 絶対 コテ先は 混ぜるな!」

ということで 管理されているわけです。

 

知っていても 半田付けの役には立たないかもしれませんが 知っていれば 納得できる

話ですね。

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